2006
Marvin Lenoar

Marvin Lenoar

倉木麻衣

TAMA : 先ず始めにドラムを始めたきっかけを教えて下さい。それと過去、先生にドラムを習った事ってありますか?

Marvin :9歳の時に教会で演奏を始めたのが始まりだったんだけど、ちゃんとドラムを学び始めたのはちょうど中学生になったころ。つまり12歳の時に個人レッスンを受け始めた頃といってもいいかもしれない。
高校に入るとベンジャミン・プルイット先生に習いはじめたんだ。すごい先生だったよ。彼はまさに、『音楽の演奏の理論を総体的に考える』という人で、まだまだ若いミュージシャンだった僕に、ミュージシャンとしての自分のキャラクターを形成するという上ですごく影響を与えてくれた人だといってもいいと思う。そのうちに16歳位でライブハウスでプロとしての演奏を始めたんだ。

TAMA : なるほど。そのドラムを始めた頃って誰か憧れていたドラマーっていました?例えば、スティーヴ・ガッドとかバディー・リッチとか?

Marvin : う~ん、リストにしたらたぶんキリがないと思うよ(笑)。 
その頃といえば、様々なタイプのミュージシャンからありとあらゆることを吸収しようとしていたからね。 
言ってみれば僕の脳は24時間営業で、まさに休む事なしにデータを取り込もうとしているコンピュータのハードディスクのような状態だった、といえば分かるかな。
僕にとっての『ドラムの神様』強いて挙げるとすれば、トニー・ウィリアムズは今も変わる事なくずっと大好きなドラマーといえる。
彼の演奏は『畏れ多い』という表現がぴったりなんだけど、「いま聴いたのは一体なんだ???」っていうような具合に、まさに僕が固まってしまった初めての衝撃的なドラマーなんだ。
それから、アート・ブレーキー、ジャック・デジョネット、ビリー・コブハム、デニス・チェンバース、オマー・ハキム、デイヴ・ウエックル。
彼等は皆真の開拓者だね。彼等はドラマーの新時代を形創ったといってもいいのではないかと思う。それは今の時代にも引き継がれているね。
そして、もちろん彼等は今でも僕らドラマー達の頂点にいるんだ。
ここらあたりでやめとくよ(笑)。本当に話しだしたらキリがないんだ。
尊敬するドラマーのリストは延々と続いてしまうから(笑)。

TAMA : 分かりました(笑)。ところでMarvinさんはどんなジャンルが好きで、どんなジャンルの音楽をプレイするのが好きですか?

Marvin : 自分ではオールラウンドプレイヤーだと思っているんだ。
ゴスペル、ヒップホップ、R&B、ソウル、ポップス、ジャズ、ファンク、フュージョン、ロック、ヘビーメタル、レゲエ、ラテンジャズ、カントリー&ウェスタン。以前、ポルカの演奏にも呼ばれたこともあるよ(笑)。
いろんな異なるスタイルの音楽を演るのが好きなんだ。常にミュージシャンとして準備万端でいたいし、それに自分を磨いていられるしね。
でも、例えば「もしこれからの残りの人生で一つしか音楽のジャンルを演奏できないならどれにする?」なんて聞かれたら、たぶん”フュージョン”と言うんじゃないかな。フュージョンはまさにその名の通り、様々なスタイルをひとつのジャンルに融合するということだからね。

TAMA : なるほど。確かにMarvinさんのプレイを見ると、様々なジャンルに裏付けされたドラム・テクニックを感じることが出来ますが、そのように色んなジャンルをプレイする上で一番重要だと思うことは何ですか?

Marvin : 音楽に向き合う姿勢、音楽に対するアプローチの仕方。そしてその日に一緒にステージに立って演奏するミュージシャン達の能力をキッチリ把握することだね。例えば、はじめて共演するミュージシャンと演奏する時には、リハーサルがあるにしろないにしろ、とにかく肩の力を抜いてきっちり正確にリズムを刻んで、音にグルーヴ感を与えて、「さて今夜はどんなプレーヤー達がチーム内にいるんだろうか?」って観察をするんだ。
そしてその日のキャストに一番ぴったりくるような味付けを演奏の中に加えていく。それが僕の仕事だと思っているよ!!!

TAMA : なるほど。それはミュージシャンとして非常に重要な姿勢ですよね。そのような基本姿勢を前提に、具体的にドラムの技術を磨き上げていく為に重要な事はなんでしょうか?

Marvin : ドラマーとして技術を磨くためにしなければならない事は、実にたくさんあるんだけどね。基本の徹底、つまり両手のトレーニング、両方の足を共存させるよう訓練すること。バランス、スティックの握り方、ドラムセットのセットアップ、そしてグルーブ感。スピード、コントロール、パワー、そして持久力などをより上達させるには、やはり初歩の基本をしっかりと練習することは必要不可欠!何でもそうだけど、最も重要な技術は基本をマスターすることから始まるんじゃないかな。

TAMA : 話は変わりますが、Marvinさんは昨年倉木麻衣さんのツアーに参加していましたが、Marvinさんにとってあのツアーはどうでした? あと、倉木さんとの仕事で印象的な出来事とかあれば教えていただけます?

Marvin : 麻衣の後ろで演奏する機会はとても素晴らしい経験だったよ。僕にとっては最初の日本のポップスターとのメジャーなツアーとなったし。ツアーの間本当に楽しかったよ。
一番想い出に残っている事と言えば、ツアーの最終日の会場が武道館だったんだけど、たまたま麻衣の誕生日でもあったんだ。サプライズな企画なんかがあったから、彼女は感無量で.....。
ファンのみなさん、是非続きはライブDVDで確認を(笑) !!!!

TAMA : ファンの皆さん、是非DVDで(笑)!!
ところでまた話は変わりますが、TAMAのドラムを選んだ理由を教えて下さい。

Marvin : 以前からTAMAの音は好きだったんだ。実際ずいぶん前になるけど Swingstarのセットを持っていたしね。そうそう、ある時レゲエの演奏の仕事が入って、リハーサルのためにスタジオに行ったことがあって、とりあえず自前のスネアやペダルやシンバルなんかを持っていったんだ。
それでスタジオに着いてみるとTAMAのセットがあったんだよね。
さっきも言ったけど、TAMAのセットを自分でも持っていたので、怠けないで自分のセットを全部もっていけば良かったワケなんだけど。ほら、誰でもそうだけど、自分でセットアップしなくてもいいのならそうしたいっていうのが人情だしね。とにかくそこにあったドラムセットをささっと調節して、演奏し始めたら凄く音のノリが良くて。リハーサルが終わる頃にはすっかりその音に惚れ込んでしまったんだ。

TAMA : なるほど。そんな経緯があったんですね。今使っているのはStarclassic Mapleのセットだと思いますが、調子はどうですか?

Marvin : 凄く気に入っている! ドラム音の調性っていうのかな、トーンがすごく好きだよ。しかもサウンドが暖かいのに、クリアだし、正確だし、それでいてしっかりと自分を主張しているんだよね。20インチのバスドラムなんて、チューンアップしてジャズの音にしたり、テンションをすこし落とし気味に調整してロックの音にしたり、どんなスタイルにしてもちゃんとトーンに芯が通っているんだ。
14インチと16インチのフロアタムから繰り出されるクリスタルのような澄んだ強いアタック音と響きのある低音は、信じられないくらい素晴らしいね!

TAMA : そう言っていただけるとホント嬉しいです! ありがとうございます!
最後にこれをご覧になっている方達にメッセージをお願いします。

Marvin : 時間を割いて僕のことをチェックしてくれてありがとう!
誰しも生き甲斐というか、目的みたいなのがあると思うんだけど、自分の場合はドラムを演奏することなんだ。若いドラマー達のために一言付け加えると、もし同じようにドラムを叩く事を生涯の目的にしようと思っているのならば、それを実現できるように心から応援しているよ。
そして僕のTAMAファミリーのみなさん、いつもありがとう!
また次に会う時まで、バンバンTAMAを叩くよ! ピース!!