2000
Kenny Aronoff

Simon Phillips

TOTO

TAMA : サイモン、ヨーロッパでのドラムクリニックとTOTOのツアーから最近戻られたわけですが、次のプロジェクトを教えて頂けますか?

Simon : 当面は制作の仕事に戻ろうと思っている。今やっている途中の2~3のプロジェクトがあるんだけど、これらはよりプロデューサー的な観点から行うものなんだ。これは僕が随分長いことやっていない類のことだ。目下、僕は自分が本当に楽しめる音楽の分野、即ちエンジニアリングとプロデュースの仕事を再開すべく準備をしている所だよ。それから"Vantage Point"というストレートなジャズプロジェクトのアルバムも9月12日にアメリカでリリースされている。このプロジェクトのヨーロッパツアーを行うことも検討しているよ。

TAMA : 次のツアーはいつ頃、どういった人達と行うのですか?

Simon : まだはっきりしてないけど2、3ヶ月後ぐらいに"Vantage Point"でのソロツアーをやる予定なんだ。でも、僕自身の(エレクトリック)バンドを連れて日本やヨーロッパに行くという話もある。

TAMA : メインキットに加えて、幾つかのプロジェクトではそれより小さいキットも使っています。それぞれの状況でどちらのキットを使うかはどのように決めるのですか?

Simon : ロック、ポップス、フュージョン或いはコンテンポラリーミュージックを基本とした音楽の場合はレギュラーのセットアップを使うっていうのが基本的な考えなんだ。でも、ある状況、例えばストレートなアコースティックジャズの場合だと話が全く変わってくる。そこでは全く違った見方と準備が要求されるんだ。そういう時にはかなり根本的に異なったキットを使う。そのキットは4つのタムと1つのバスドラム、そしてスネアを1つ。シングルペダルも使う。ラックに付けるタムは12インチと13インチ、フロアタムは14"x14"と16"x16"。バスドラムは凄く一般的なサイズのもので、14"x22"か14"x18"のどちらかから選ぶ。伝統的ドラムキットへの回帰だね。

TAMA : あなたのグラディエイター・シグネチャ-スネア(SP1455)はサイドスネアとして使っているページェントスネア(SP125)と同じく共に貴方のメインスネアですが、TAMAのスネアドラムで何か他に使っているものがありますか?

Simon : レコーディングではほとんど全ての曲ごとにスネアを替えることも多いよ。僕のお気に入りの1つはTAMAの5.5"x10"のメタルシェルスネア(PF155-10/国内未発売モデル)だ。それは最高に良い音がするものの1つだし、レコーディングの時もびっくりするほど良い音で録れるんだ。あと5"x14"と6.5"x14"のメイプルシェルのスネアも使うね。

TAMA : グラディエイター・シグネチャ-スネアはどのようにしてアイデアが浮かんできたのですか?

Simon : 僕は1977年以来ずっと木胴のスネアを使っていたんだけど、グラディエイターの案を考えていた頃にPB355というブロンズシェルのスネアにトライしてみたんだ。初めは何故これほど良い音がするのか分からなかったけど、使っているうちにその原因がわかってきた。それは僕が何年と使っていなかったフランジフープがこのブロンズスネアに付いているという事だったんだ。その時僕はメインスネアをブロンズスネアに変えることを決めた。
そして僕は不意に自分がやろうとしていることの全容を理解した。もしシグネチャ-スネアを作ろうとしているなら、どんな状況でも使えるものを持つべきだと僕は思う。ジャズからフュージョン、ロック、そしてヘヴィメタルまでありとあらゆるジャンルを僕はプレイしている。そしてどのジャンルでも同じスネア使っているけど、皆がその音を好きだと言ってくれる。それに気付いた時、僕はグラディエイターが素晴らしいシグネチャ-スネアになり得るだろうということを悟ったんだ。

TAMA : 11点のスタークラシックメイプルからなるドラムセットをレコーディングする時、どのようなアプローチを採るのですか? どんな音を自分が探しているか予め判っているのですか? それとも自分が探している音を見つける為にあれこれ試行錯誤するのですか?

Simon : 僕のドラムセットは本当にそれが鳴るべき音で鳴ってくれる。それは様々なドラムキットで今まで僕が奏でてきたサウンドを代々受け継いできたような音なんだ。だから僕はいつもそのドラムキットが持つ自然な音を出そうとしているだけだ。色々な人が自分のアルバムに参加して欲しいと僕に頼んでくる時は、僕の"シグネイチャー・サウンド"ともいうべき僕自身の音が求められているっていうことなんだ。

TAMA : TAMAのドラムラックを使っていますが、どうしてスタンドではなく、ドラムラックを選んだのですか?

Simon : それは1989年に遡ることになるけど、それまでは全て普通のスタンドを使っていたんだ。でも僕は通常のハードウェアを使うことによって起こる、セットを載せるためのスペースの問題、そして、二度と同じセットアップができないという事実に悩まされてきたんだ。最初にラックも一緒に置くようになったのは1989年にthe Whoのサポートドラマーとして回ったツアーの時だ。一旦このラックを使い始めると、いつの日でも全く同じセットアップができる。それは素晴らしいことだよ。セットアップに対する不安が微塵もない状態で、ただスローンに座りプレイできたツアーはそれまで一度もなかった。ドラムラックの効果は僕の思っていたよりもずっと素晴らしいものだった。

TAMA : HH95NLというハイハットスタンドを自分の方に傾けて使っていますが、そうすることによってプレイにおいてどのような利点が得られますか?

Simon : 完全にまっすぐな状態でハイハットスタンドを使うと最初の10"のタムとハイハットシンバルがあたってしまうから、しょうがなくタムを遠くにセットしないといけない。そうすると腕を一杯にまで伸ばさなくちゃいけなくなる。だから僕はハイハットスタンドを自分の方に傾けているんだよ。それから僕は左手でハイハットを叩くから、こういう低い位置の方が叩きやすいっていうメリットもあるんだ。

TAMA : ここ最近のレコードでインスピレーションを受けたものは何ですか?

Simon : Macy Grayのアルバム、Meshell N'Degeocelloのファーストとセカンド、それにブレッカー・ブレザーズのファーストかな。

TAMA : 最後に何か付け加えておきたいことがありますか?

Simon : 僕はTAMAの製品に多大な信頼を置いている。だからこれは言っておかなくてはならない。今までのドラムの革新の中でも、スタークラシックドラムは最も素晴らしいものだと僕は思っているよ。TAMAは本当に素晴らしい仕事をやってくれているよ!